空き家を相続した場合の適切な対処方法をご存知ですか?
木材を中心とした日本の住宅は、人が住んでいないと急速な劣化を招きます。
耐久性がなくなれば、倒壊の危険性が高まるだけでなく、強風により瓦の落下や、物が飛ぶなどして近隣に迷惑を掛けることもあります。
私達が相続した不動産が空き家となる場合、どのように対処すれば良いのか確認していきましょう。
■空き家の老朽化問題
空き家の戸数は年々増え続けており、平成25年には820万戸を超えました。
一部前述しましたが、空き家の老朽化は様々な問題を引き起こします。
近隣トラブルや犯罪の誘発など、空き家が他所に迷惑を掛けるケースもあるため、
老朽化した空き家が引き起こす可能性のあるトラブルについて、把握しておくことが大切です。
・強風による瓦礫やゴミの飛散
老朽化による雨樋などの故障や、壁のヒビや剥がれなどは、台風などの被害を受け易いです。
強風により物が飛び、近隣の建造物に損傷を与えた場合には、訴訟問題に発展しかねません。
損害賠償問題にならないよう、注意が必要です。
・カビや臭気、害虫による被害
空き家は換気があまりされないことから、湿度が常に高い状態となり易いです。
老朽化のスピードを一層早めるだけでなく、カビや害虫の発生や臭気の元となります。
特に害虫の発生は、家屋に生態系を作り出してネズミやヘビなどの小動物が住み着きます。
老朽化した空き家が小動物の住み家となれば、周囲の住宅にも影響を及ぼしかねません。
上記以外にも、老朽化により建物自体が倒壊するケースもあります。
空き家の倒壊は、より重大な事故につながりますので、解体も視野にいれましょう。
■相続した空き家の対処について
倒壊の危険性がある空き家を放置し、近隣住民から行政に苦情が寄せられる事例も起きています。
行政からの再三に渡る解体通告などを無視し続けた場合には、
条例に基づいく行政代執行によって、空き家が解体されることとなります。
解体費用は空き家の所有者に請求され、支払わなかった場合には差し押さえの上、
空き地は競売に掛けられることとなります。
このようなことにならないためにも、老朽化した空き家は早急に対処をしましょう。
・解体工事による対処
解体工事は業者によって、費用が大きく異なることがあります。
先入観を持たず、複数社から相見積もりをとることも大切です。
但し、相見積もりの際にはマナーに気を付けましょう。
事前に相見積もりをしていることを伝えたり、業者との信頼関係構築も重要です。
・リノベーションして再生できることも
一見、荒れ放題で老朽化していそうでも、リノベーションで再生できる可能性があります。
老朽化した古い空き家でも、工事で生まれ変わり、人に住んでもらえた事例もあるようです。
企業や社会団体など、様々な団体が空き家対策に乗り出しているため、
色々な窓口へ相談してみることもおすすめです。
■問題が起きる前に対処しましょう
いかがでしたでしょうか。
もし空き家が老朽化してしまった場合、他人に迷惑を掛ける前に対処することが重要です。
また、誰が空き家を管理していくのか、ハッキリせずに親族間で揉めている内に
空き家が老朽化していくという悲しい事例もあります。
自分の死後に残された親族が、空き家の対処法で困らないように、
遺言を残したり、事前に整理しておくことも大切です。
空き家は、老朽化する前に早め早めの対策が必要となります。