遺品整理と一緒にお焚き上げで供養を
故人の思い出が詰まった遺品。それらすべてを残しておきたい。当然のお気持ちだと思います。一つの気持ちの整理として、そして供養としてお焚き上げがあります。あらゆるものをお焚き上げできる訳ではありません。ではいったいどのようなものならお焚き上げできるのかを見ていきましょう。
◆お焚き上げとは?
日本の文化、精神として、古くから引き継がれている考え方に、
「お焚き上げ」というものがあります。
お焚き上げの由来は、神社の庭で庭燎を焚く”どんど焼き”と、仏教の”護摩焚き”が結びついて天に魂を送る行事になったことからきています。
お守りやお札、仏壇や神棚など、神仏にかかわるものを処分する場合は神社やお寺にお清めをしてもらい、焼くことによって供養するのが一般的です。
その後転じて人形供養や針供養など、物には魂が宿るという精神からお焚き上げをして供養するようになりました。
亡くなられた方の遺品についても同様の考え方で、故人か大切にされていたものや思いのこもったものを亡くなられた方と一緒に心を込めて供養し、お別れするためにもお焚き上げを行う方が増えています。
◆どんなものをお焚き上げするの?供養方法は?
葬儀などがおわりしばらく時がたつと亡くなった方の思い出の品があふれていることに気づきます。
亡くなった方のお気に入りのもの、毎日使われていたもの、ご家族にとっても思い入れのあるもの…
昔は家族や親せきで形見分けを行い、大切に保管したり使ったりしていくことも多く行われてきましたが、最近では核家族化や物があふれる時代となり、
形見分けをしづらい環境になっています。
しかし、ある程度整理した後に手元に残るものは処分しがたいものばかり。ごみとして出すにはしのびなく、報われないと感じられるものはお焚き上げをして供養される方も多いようです。
亡くなられた方のお布団や、衣類や靴、お守り、鏡、写真、日記やぬいぐるみなど、故人が大切にしていたとご家族が思われたものはお焚き上げしていただいて問題ありません。
読経・魂抜きを行い、お焚き上げ、供養をするというのが一般的な方法です。
神社やお寺にお願いすることが多かったお焚き上げですが、思いのこもったモノが多岐にわたることもあり、お焚き上げを業者に代行で頼めるようになってきました。
しかしながら昨今は環境問題の観点からお焚き上げをやらない神社やお寺も増えてきました。
亡くなられた方と、その遺品まで思いを込めて供養する考え方は日本のよき心の表れといえるかもしれませんね。