形見分けの時期や自営業者の税金について
形見分けをする際に知っておかなければならない注意点がいくつがあります。礼儀に繋がることなのでしっかり心得ておきましょう。また故人が自営業者の場合はその間の売上など税金の支払い手続きや相続に関わるケースも出てきます。ここでは形見分けと自営業者の場合の注意点について解説します。
■ 形見分け
1.形見分けの品について
形見分けの品は、故人の愛用品などの遺品を、きれいな状態でまだ使えそうなものをお渡しするのが一般的です。故人の思い出が深い、趣味の道具などを贈ることもあります。
美術品や貴金属、高級ブランドの時計など高価な物は形見分けではなく相続財産に含まれることもあり、相続税の対象となる場合もありますので、注意してください。
最近では、着物などの遺品をリメイクして洋服や小物入れにしたり、遺品の一部でアクセサリーなどを作って配ることもあるようです。
2.形見分けは誰にするのか
一般的にはごく親しい親戚や近親者、友人などが対象になります。
形見分けは目上の人には贈ってはいけない…という決まりがあった昔とは異なり、今では故人との関係が深かった場合は形見分けをすることが多いようです。
目上の方から形見分けの希望があった場合には、お渡ししてもいいでしょう。
相手がどのようなものを喜んでくれるのか、先方の年齢や性別などを考慮して、受け取る側の気持ちを尊重してお渡しするようにしてください。
3.形見分けの時期
形見分けには「◯◯日以内」という決まりは特にありませんが、
<仏式> 四十九日の後、忌明け
<神式> 五十日祭または三十日祭が終わった後
<キリスト教> 「形見分け」という習慣がありませんが、
行う場合は1か月命日に行う召天記念日(納骨日)が、一般的だと言われています。
4.形見分けの包装
形見分けの品物はプレゼントではないので、包装は必要ありません。包装したい場合は、奉書紙、半紙などの白い紙に包む程度の簡単な包装にします。
故人の思い出やエピソードを書いたお手紙を添えるなどしても良いでしょう。
5.遺品整理の重要性
故人の遺品が多ければ多いほど整理しなければ形見分けはできません。故人の生前の持ち物を、きちんと遺品整理をして形見分けすることは、その思い出を大切にするということであり、故人に礼を尽くすことになります。もし、遺言状に遺品について記載されていたら遺言どおりに形見分けを行ってください。
価値あるものや、必要なものを親族が勝手に処分してしまったというようなトラブルも多いため、専門業者による分類をお願いすることも広まってきています。