そもそも一周忌とは?
故人がなくなってから一年目の同月同日(祥月命日)を一周忌と呼びます。仏教に於いて百箇日と一周忌、三回忌は特に重要な法事です。
人は亡くなってから現世での行いを審査されますが、一周忌という節目には都市王により改めて再審のチャンスが訪れます。そのため、一周忌に私達が追善供養することで故人の安寧を祈るのです。それにより私達の善行も積み重ねられると考えられています。
また、神道に於いても一周忌の考え方があり「一年祭」といいます。神道では故人の御霊は神に成るため、葬祭など「祭」の字が当てられているのです。
■一周忌でやるべきこと
「喪主としてやるべきこと」
・菩提寺への連絡と会場の手配
事前に菩提寺へ連絡しましょう。会場の手配も合わせて相談しても良いと思います。
・参列者へ案内
食事、引き出物の準備を円滑にしていくため、案内状は往復ハガキにするか、返信用ハガキを同封して出欠をとりましょう。人数はできるだけ早い内に決まっていた方がスムーズに準備できます。
・お供え物の準備
供花をはじめとしたお供え物を準備します。故人が好きだったものも用意してあげると良いでしょう。
・食事の手配と引き出物の準備
法事後の会食(お斎)の会場、料理を手配します。料理に海老や鯛などが使われないよう、法事で利用する旨を伝えておくとよいです。尚、僧侶がお斎を欠席される場合には、お布施・お車代・御膳料をお斎の前にお渡ししましょう。
引き出物の相場は2,000円〜5,000円が一般的です。日用品や海苔などの乾物、お茶やコーヒーなどがよく選ばれます。
「参列者としての準備」
参列者は招待客として赴く訳ですから、喪主に連絡せずに帰ることなどないようにしてください。
・案内状への返信
早い返信は、遺族にとってとても助かります。
・香典、お供え物の用意
香典は宗派より考え方が異なってくるので確認しておきましょう。お供え物は菓子や果物、飲み物が一般的です。
・服装について
喪服でなくても良いとされていますが、フォーマルな服装を意識しましょう。
「神式での場合」
大きな流れは所作などを除いて、仏式とあまり相違ありませんが、一年祭では席次が決まっていることが多いので、よく確認しましょう。
また、仏式用語を使わないように気を付けましょう。例として、御香典は御霊串料と呼びます。その他、成仏・冥福・供養等も仏式用語になります。
■一周忌は遺族にとっても大切です
故人が亡くなってから1年という節目に、残された人々が故人への想いを馳せ、感謝の気持ちを持つことは、親族の結束を改めて強くし、私達の心を豊かにしてくれます。一周忌という機会は故人が与えてくれる贈り物でもあるのです。
当然、故人にとっても一周忌は、極楽浄土にいけるかどうかを左右する極めて重大な時です。
故人の冥福を皆でしっかりお祈りすることで、故人も私達の行く末をしっかりと見守ってくれることでしょう。